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ゼロ歳児と戦うフロントエンドエンジニア

Flashが終わった日

Adobe Flash Professionalが、Adobe Animate CCに名称を変更するそうですね。

Flasherを自称できるほどの仕事をこなしたわけではありませんが、私はとにかくFlashが大好きでした。
今でこそJavascriptなんて書いていますが、そもそもフロントエンドに携わるようになったのもFlashがきっかけでした。
仕事は減ってしまったけど、やっぱりFlashが好きで好きでしょうがないんです。
だから(というのも変ですが)この発表を聞いたときは素直に「あぁ、終わったんだなぁ」と感じました。

需要がないとか、見捨てられたという意味で終わったのではありません。
従来のWebにおいてFlashコンテンツが担ってきた役目を果たして、世代交代するんだな、と。
一昔前はアニメーションやインタラクティブコンテンツといえばFlashしかなかったけど、今はそんなことないですからね。

ここ数年でスマートフォンタブレットなど、Flashを再生できない環境が急増しました。
一方で、HTML5だ!CSS3だ!WebAudioだ!WebGLだ!WebWorkerだ!となんやかんやで新しい技術が次々と登場しました。
Flashでしかできなかったことを、それだけで実現できると鳴り物入りでやってきた子たちです。
彼らの成果のほどはさておき、WebはたしかにFlashに頼らない方向へと流れていきました。
そしてFlash Professionalもまた、多彩な環境への書き出しをサポートするなど、Webではない新しい道を築き始めていました。
両者はゆっくりと、確実に、別々の道を歩んでいました。

だからこそ今回の名称変更は、Webの発展と魅力的なコンテンツの提供に大きく貢献した、Flashという技術の一つの節目のように思います。

Flashオワコンだという人もいます。
Flash Professionalという名前まで奪われてしまったことで、Flashは死んだという人もいます。
たしかにWebにおけるFlashの役割は終わっていますし、Flash Professionalという名前も消えてなくなります。
そういう意味ではどちらも正しいでしょう。
とはいえ、Webの世界を離れてみれば、まだまだ多くの開発者に愛され、育てられている技術でもあります。
今日を糧に明日にはまた少し成長する技術です。
これが果たして終わっている、死んでいるといえるでしょうか。

Flashの不遇を嘆く人もいます。
こんなに素晴らしいプロダクトが名前まで奪われるなんて、と残念がる人もいます。
私も大好きなので、その気持ちはよくかります。
しかし、先述の通り、WebにおいてFlashは役目を終えたと考えれば、そう悲しむこともない気がします。

むしろそれ以上に悲しいことは、鳴り物入りでやってきた新しい技術たちの未熟さです。
もちろん、今は未熟であっても、いずれは便利で強力なものになるでしょう。
そうやって将来に期待することも結構ですが、私たちの目の前にはそれを使うしかないという現実があるのです。
仕様も決まらず、標準化も進まず、ブラウザごとに独自実装が施されたプレフィクスだらけのAPI、統一されない挙動、端末固有の不具合。
Flashを使わないからといってパフォーマンスに優れるわけでもない。
手間と苦労と検証時間は増えましたが、その結果得られるものは何なのでしょうか。
Flashの不遇なんかより、未熟な技術を押し付けられる開発者の不遇を嘆きたいですよ、私は。

と、まぁ随分と贔屓目でしたが、Flashは終わってるけど死んでないと思うよっていう話でした。
ところでなんでFlashクラスタの人は定期的にFlash死亡説流してはお通夜モードになるんですかね。
マゾなんですかね。

おしまい。